滑稽なほど心を込めて

みなさんもう寝ているかしら。

いよいよ明日(もう今日だけど)エルコラソンでのカルネイロワンマンライブ。

昨日リハーサルを終えて、東京のホテルでこのブログを書いています。。。

 

しばらく前のこと、今年亡くなったピアニスト・中村紘子さんを追悼する番組をたまたま見かけました。

わたしが小さい頃から大人になるまで、ピアニストといえばこの人!とばかりによくメディアに登場した方でしたが、ちゃんとその人やその音楽については全然知らずにいたな、と番組を見て思いました。

確かな技術と尽きない情熱。すごく力強い、男性的な弾き方のできる女性ピアニストだったのね。

その番組の中で、中村紘子さんが講師をつとめるレッスン番組が紹介されていました。

実際にピアノを学ぶ音大生が登場するんですが、音に緊張のでてしまう生徒さんに

「音が硬いわね、緊張してる?

どうしたってするの、わたしもそんなときはあるの、でもね、

ステージに立ってこう思うようにするの

『わたしにはこんなちっぽけな音楽しかない。

だけど、このちっぽけな音楽を、精一杯、歌おう』

そうおもうの、そうするとね、大丈夫、落ち着いて弾けるのよ。」

 

優しい口調で語りかけるその言葉に、ああ、世界的ピアニストとして活躍した人も、そんな風に思って『歌って』いたんだ。と、腑に落ちたような、核心に触れたような気持ちになりました。

全く立場も音楽も違うけど、わたしも同じ気持ちで歌っています。

中村さんの印象的な言葉をもう一つ借りるなら

『滑稽なほど心を込めて』歌うんです。いつも。

ブサイクになっても、いっぱいいっぱいでも、いくつだろうと、どこかで誰かに小馬鹿にされても。

手のひらにすっぽり入ってしまうようなちっぽけ音楽かもしれないけど、

一生懸命、滑稽なほど心を込めて、明日も歌います。